Fall & WinterSHIKAOIACTION{ GEO Power }HomemadeCountry LifePower FoodSoul Food「鹿追町に『鹿追窯』が開かいよう窯されたのは、昭和50(1975)年7月1日。昭和47年に美びまん蔓坂改良工事中に出土した粘土を調べたところ、焼物に非常に適していることがわかり、新たな郷土工芸がスタートしました。 当時、鹿追町には陶芸窯がなかったことから備前の窯元に町の職員を派遣し、その技をベースに創意工夫を重ねています」。現在、鹿追窯の責任者であり陶芸家の三上慶耀さんは、鹿追焼の誕生についてそう語ります。 三上さんは平成6(1994)年から鹿追焼に取り組み、約10年がかりで独自の技法を完成させ、4年前から【鹿追窯】その手法を用いた鹿追焼を国内最大規模の公募展「日本伝統工芸展」に出品し、精力的に創作活動を続けています。鹿追窯では陶芸教室も開催され、やわらかな造形美と色合いが評判の三上さんの作品は「道の駅しかおい」でも購入可能です。鹿追焼の魅力を発信する陶芸家の三上慶耀さん。陶芸教室の講師も務め、一日陶芸教室では湯のみや皿などが制作できる。上質な粘土の質を生かす備前焼を源流に郷土の土から生み出す造形美10 然別湖周辺の山々には「凍しばれ(凍てつく寒さ)」により、北極圏とよく似たコケの美しい森が育まれ、氷期の生き残りエゾナキウサギが生息しています。また、火山活動によって川がせき止められて誕生した然別湖には、湖の宝石と呼ばれる固有種のミヤベイワナが生息するなど、独特の景観や生態系が営まれています。火山灰土壌が広がる山麓の平野部では、昼夜の寒暖差により甘くおいしい農作物が育まれます。「とかち鹿追ジオパーク・ビジターセンター」では、そうした鹿追町ならではの自然や人の営みを、実験装置や模型などを使い、大地の成り立ちと結び付けて紹介しています。常駐スタッフが随時館内の説明を行っていますので、鹿追町に来られた際には、まずここを訪ねてみてください。【とかち鹿追ジオパーク・ビジターセンター】小さな町に広がる多様な自然環境は火山と凍れが育む命の物語【営業時間】 8:30~17:15【定休日】土・日曜日、祝日◎北海道河東郡鹿追町東町3丁目2町民ホール内陶芸工作館TEL:0156-66-3738【開館時間】9:00~17:00【休館日】火曜日、祝日の翌日・年末年始 ◎北海道河東郡鹿追町瓜幕西 29 線 28 番地2TEL:0156-67-2089 www.shikaoi-story.jp三上さんが鹿追町の特産品「坊っちゃんカボチャ」の茎や葉から作った釉薬(ゆうやく)を用いた新技法で制作した器。シンプルな造形美と色合いの中にやわらかなぬくもりが宿る。夏でも冷たい風を吹き出す風穴地帯には、日本最古の氷が見つかった永久凍土が存在し、冷涼な環境が広がる地上部には、美しいコケの森が広がっている。かつての火山活動や川の動きを、映像で視覚的に理解することができるプロジェクションマッピング。ミヤベイワナは、北海道に生息するオショロコマ(イワナ)の仲間。川がせき止められてできた然別湖で独自の進化を遂げた。
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