SHIKAOI GRAPHICS vol.2
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Smile of The Ice Village真冬に現れる幻のような雪氷の村「しかりべつ湖コタン」を体感する 北海道内の湖で最も高い、海抜800mに位置する天空の湖が然別湖です。標高が高いため12~3月の平均気温は、鹿追町中心部と比べて約5℃低い、マイナス10℃ほど。夜になればマイナス20℃、30℃となる日も珍しくないほど冷え込みますが、その気温の低さこそが然別湖の冬を彩ります。全国有数の透明度を誇る湖も12月下旬になると、湖が完全に氷で覆われるのです。この完全結氷した湖上に現れるのが「しかりべつ湖コタン」、冬の間だけの幻の村です。「コタン」とはアイヌ語で「村、集落」という意味で、エスキモーの冬の家「イグルー」のように氷のブロックと雪を積み上げて造られた建物が湖上に並び、やがて春の訪れとともに村は消えてゆきます。建築資材に氷や雪だけを使用してい12氷雪のドームに設えた彫刻がキャンドルに照らされ、幻想的な空間が広がるアイスチャペル(写真上)。アイスホールでは、ミニコンサートやダンスショー、講演会など、氷の壁の特質を生かしたパフォーマンスが行われている。然別湖から切り出された氷塊は、オブジェなどに使われている。建物は然別湖に降り積もった雪を湖の水で固めてたくさんのアイスブロックを作り、それを積み上げて築かれ、期間中に作るブロックの数は6000個を超える。

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