08Fall & WinterSHIKAOIACTION{ Power Food }HomemadeCountry LifeSoul FoodGEO Power「一般的な養豚場は、豚舎の中の菌を殺そうと手間をかけます。しかし、私たちはその真逆で、太陽の光を受けながら自然放牧でストレスなく育てるため、病気予防の抗生物質や成長ホルモン剤などを投与する必要がありません」 草原の放牧場を走り回る黒豚たちを指さし、「十勝放牧黒豚雪あかり」2代目の白石かすみさんは説明します。 放牧で豚を育てる場合どのような種類の豚でも、通常の1・2~1・5倍にあたる360〜390日間の肥育期間が必要となります。そうなると一般的な養豚種であるヨークシャー系の三元豚(白豚)などは肉質が固くなり、パサつきが気になるそうです。これに対してバークシャー種の黒豚は、肉質がきめ細かく肥育期間が長くても味が落ちることがないといいます。むしろ赤身は歯切れがよく、濃厚なうま味のあるジューシーな肉質と芳醇な香りになり、脂はべとつかずさっぱりと軽や牧場で太陽の光を浴び、ミネラルたっぷりの土を掘り駆け回って遊び、しっかり食べて寝ることで、抗生物質やホルモン剤不要で育った、安心安全な豚肉をいただくことができる。【十勝放牧黒豚雪あかり】かな味わいになるそうです。「豚だけではないと思うのですが、大切に育てた命だからこそ〝おいしい〟のだと思います。豚の命と豊な自然に感謝して、これからもおいしさを追求していきたいと思っています」輸入の餌には頼らず、十勝産のトウモロコシや小麦、ジャガイモなど、地元の大地からの恵みをたくさん食べて育った、この土地でしか味わうことのできない特別な豚です。家業を継ぐ白石かすみさんは大の動物好き。幼い頃から豚や動物たちとふれあいながら育ち、黒豚の赤ちゃんも安心して抱かれ、腕の中でスヤスヤと眠ってしまう。【営業時間】9:00~17:00【定休日】日曜日◎北海道河東郡鹿追町笹川北8-10TEL:0156-66-3184【オンラインショップ】www.yukiakari.shop快適性に配慮した家畜の飼養管理「アニマルウェルフェア」を実践 オーナーの中野健治さんは、創業以来動物の立場に立って、ストレスを最小限に抑えて「生活の質」を高める飼育「アニマルウェルフェア」を実践しています。この概念はEU(欧州連合)に始まり欧米各地で浸透し、日本においても「快適性に配慮した家畜の飼養管理」として、農水相が指針を示しています。 雪あかりの黒豚たちも、こうした考えの下ですくすくと育ちます。Salon of Learning広い敷地に放し飼いされた黒豚は、抗生物質不使用の安心安全な極上ミート放牧豚の特長が出る「肩ロース」は、きめ細かな肉質で歯切れがよく、コクのあるうま味(1,200円/200g)。熱々に焼いた「バラ肉」の脂は口の中でサッと広がり、やわらかな甘みが舌の上で膨らむ(940円/200g)。臭みがなくうま味あふれる「ロース肉」は、何枚食べてもお腹が重くならず後味さっぱり(1,290円/200g)。「人間のために産まれ、人間のために死を迎える。その命をいただいていることに感謝して、大切に慈しみながら育てています」と中野健治さん。
元のページ ../index.html#8