SHIKAOI GRAPHICS vol.4
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ら1時間。1日に100食分用意するため、そば打ちだけで3時間半から5時間近くかかるそうです。 「私が使っているソバの品種は『牡ぼん丹』という種類で、鹿5(1930)年に北海道農業試験場で推奨された紋別地域高橋さんは話します。「キタワセソバ」で、道内での作付面積のおよそ9割で栽培かの品種と比べても味や香りが優れているという特徴があり、現在では希少価値が高く 「幻のソバ」として根強い人気があります。鹿追町の中心部北側に店を構える「十勝鹿追そば」の仕事始まりは、朝の5時。そば職人の高橋圭さんのそば打ちから始まります。20食分のそば打ちに費やす時間は、その日の気温や湿度にも関係するので一定ではなく、約40分か追町の『にしかみ農園』で栽培しています。牡丹は、昭和発祥の品種で、古くから北海道で育てられてきました」と現在、北海道のソバの品種の主流は早生で多収に優れたされています。牡丹は残念なことに地球温暖化など環境変化の影響で生産できる場所が少なくなってきましたが、ほにしかみ農園の畑は、平均標高が海抜300mを越える高原にあり、牡丹を栽培するうえで交雑が起こりにくい点でも栽培に適しています。しかも冷涼な地域で育つため、牡丹の特徴である力強い甘み、豊かな香りがさらに引き立【営業時間】月・火・木曜日/11:00~15:00、金・土・日曜日/11:00~15:00、17:00~19:00【定休日】水曜日◎北海道河東郡鹿追町西町3-9TEL:0156-67-7308写真左/指先を使いそば粉に水を含ませていくような「水回し」の後、手のひらでグッと押すようにこねる「練り」の次に「伸し」。打ち台に打ち粉を振り、まずは手で均一に伸ばして直径が20~25cmくらいになったら、麺棒を使って生地を少しずつ均一に伸ばしていく。写真下右/ゆで上がったそばを流水でもみ洗いし粗熱とぬめりを取る。写真下左/湯気を噴き上げゆで上げる大鍋。  た 幻の品種ともいわれるソバ「牡丹」を石臼でひいた粉を使い、コシのある食感、風味豊かな香りと味わいがたまらない“二八そば”。さまざまな食分野で修行を重ねた後、そば打ちの奥深さに魅了されたそば職人の高橋圭さんは、鹿追町の胃袋を支える一人。12Special Handmade Soba Restaurant“TOKACHI SHIKAOI SOBA”そば通もうなる手打ち“二八そば”「十勝鹿追そば」

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